全国大学書道学会

平成26年度の埼玉大会で承認された「大学書道学会の初期の活動調査」の一環として資料整理を進めています。(第1回座談会記録はこちら。

1.全国大学書道学会の歴史
1.学会の設立
 現在の「全国大学書道学会規約」では、附則の項に学会規約は昭和34年6月12日から施行することになっている。その準備については、日本教育大学協会第二部会 書道部門(以下二部会と略称)で行われた。
 昭和33年6月5日の熊本大会では、二部会の拡充強化策として学会の設立がされることになり、準備委員会が設立されることになった。委員は、北海道地区太田鶴堂、東北地区藤本升亭、関東地区鈴木竹影、東海地区能勢海旭、北陸地区竹内沈鐘、近畿地区狩田巻山、中国地区絹田岐陽、四国地区浅海蘇山、九州地区相浦紫瑞の諸氏である。この場で、名称を全国大学書道学会とし、また、会員は、国立大学書道担当教官、同付属学校における書道習字の担当教官、私大における書道担当教官とすることとされた。
 この学会の活動内容としては、研究発表会、書作品展覧会、講演会の三本立てとされた。また、原案を推進するために特別準備委員が委嘱され、田辺古村(東京学芸大)、鈴木影(東京学芸大)、伊東参州(東京学芸大)、石橋犀水(新潟大)、浅見喜舟(千葉大)、服部北蓮(埼玉大)の六氏が就任することになった。
 そして、学会設立である。昭和34年6月11日に京都学芸大学で開催された二部会総会で、全国大学書道学会の規約が制定され、役員選挙が行われた。これが全国大学書道書道学会の設立である。冒頭に記述した学会規約の有効性を考えて、翌日の6月12日の施行にしたと思われる。
 役員は、幹事長が田辺古邨氏、常任幹事は、会計が鈴木竹影、伊東参州の両氏、会計監査が石橋犀水、服部北蓮の両氏である。二部会の地方代表者はそのまま幹事とすることも確認された。

2.学会活動
 学会の活動が開始されたのは昭和35年の岩手大会からである。10月20,21日の両日、33名の参加者により開催されたが、学会が設立されても、大会運営に大きな区別は設けられなかったようである。二部会兼学会の研究発表として、山口野竹(北海道学芸大学)、吉丸竹軒(岩手大学)、神谷葵水(愛知学芸大学)、上原欣堂(富山大学)の四氏が登壇している。学会にとってはこれが初めての発表ということになろう。
 この年の役員改選で幹事長が石橋犀水氏となり、常任幹事は田辺古邨、鈴木竹影、伊東参州、服部北蓮の四氏が就任している。
 また、公開講演会が開催され、太田孝太郎氏が「中国古印概説」と題した講演をしている。
 昭和36年は、6月12,13日に徳島大学の田中双鶴氏が担当され徳島大会を開催している。研究発表・講演会の他、大学書道教官作品展が徳島県博物館で開催された。その後、愛知大会(昭和37年)、富山大会(昭和38年)、埼玉大会(昭和39年)と続くことになる(下記の一覧表を参照)。

3.研究誌について
 大学書道学会として学会誌が発行されるようになったのは、昭和47年度からである。しかし、学会独自の編集ということではなく、日本書道教育学会の『書学』を表紙を付け替えて学会誌『全国大学書道学会研究報告』に転用している。昭和58年には『全国大学書道学会研究集録』と名称を変更している。学会誌が単独で編集されるようになるのは昭和63年の奈良大会からである。初期はレジメを印刷したものであったが、徐々に形式が整えられてきた。平成13年度からは『全国大学書道学会紀要』に、平成19年度からは『大学書道研究』と名称を変更している。


2.学会開催地・論文一覧

全国大学書道学会は、日本教育大学協会書道部門会(通称二部会)から誕生しています。第27回大会(新潟大会)までは、二部会の日程も含まれています。

回数 開催年月日 担当大学 担当者 内容
二部会 昭和27年 東京学芸大学 田辺 古村  
二部会 昭和28年 奈良学芸大学 乾 鍵堂  
二部会 昭和29年 広島大学 井上 桂園  
二部会 昭和30年 新潟大学 石橋 犀水  
二部会 昭和31年 北海道学芸大学札幌分校    
二部会 昭和32年 千葉大学 浅見 喜舟  
二部会 昭和33年6月5,6日 熊本大会 斎藤 鶴跡 昭和33年
昭和34年6月10~13日 京都学芸大学 大河内鳬東 昭和34年
昭和35年10月20,21日 岩手大学 吉丸 竹軒 昭和35年
昭和36年6月12~14日 徳島大学 田中双鶴 昭和36年
昭和37年6月7日~8日 愛知学芸大学 岡本白濤,神谷葵水 昭和37年
昭和38年9月26~28日 富山大学 上原 欣堂 昭和38年
昭和39年6月25,26日 埼玉大学 服部 北連 昭和39年
昭和40年5月19日~21日 岡山大学 絹田 岐陽 昭和40年
昭和41年11月17~19日 東京学芸大学 田辺古村,伊東参州 昭和41年
昭和42年6月22,23日 和歌山大学 大岡 皓崖 昭和42年
10 昭和43年12月28,29日 大阪教育大学 狩田 卷山 昭和43年
11 昭和44年9月2,3日 北海道教育大学函館分校 太田 鶴堂 昭和44年
12 昭和45年11月30日~12月1日 香川大学 小林 久麿 昭和45年
13 昭和46年10月11,12日 鹿児島大学 川上 南溟 昭和46年
14 昭和47年6月16,17日 信州大学 塚田 清策 昭和47年
15   茨城大学 関 南沖 昭和48年
16 昭和49年9月27,28日 高知大学 松岡 雲峰 昭和49年
17 昭和50年10月8,9日 島根大学 野津栄 昭和50年
18 昭和51年6月23,24日 愛知教育大学 岡本白濤,神谷葵水,
黒野清宇
昭和51年
19 昭和52年9月29,30日 宮城教育大学 田村 桃渓 昭和52年
20 昭和53年10月4,5日
愛媛大学 冨田 一抱 昭和53年
21 昭和54年7月9日~11日 北海道教育大学旭川分校 赤石 蘭邦 昭和54年
22 昭和55年10月15,16日 福岡教育大学 塚田 康信 昭和55年
23 昭和56年5月28,29日 千葉大学 久米 公 昭和56年
24 昭和57年9月30日,10月1日 静岡大学 平形 精一 昭和57年
25 昭和58年10月14,15日 秋田大会 長沼 雅彦 昭和58年
26 昭和59年10月5日,6日 東京学芸大学 吉田 繁 昭和59年
27 昭和60年10月18,19日 新潟大学 加藤 僖一 昭和60年
28 昭和61年10月17日 宮崎大会 福宿 孝夫 昭和61年
29 昭和62年10月28日 横浜国立大学 城所 正 昭和62年
30 昭和63年11月24日 奈良教育大学 西橋 靖雄 昭和63年
31 平成元年11月17日 金沢大学 法水 光雄 平成元年
32 平成2年11月9日 佐賀大学 竹之内 裕章 平成2年
33 平成3年10月25日 岩手大学 菊池 利昭 平成3年
34 平成4年10月30日 滋賀大学 池田 哲也 平成4年
35 平成5年11月25日 大阪教育大学 西橋 靖雄 平成5年
36 平成6年10月14日 北海道教育大学札幌校 辻井 義昭 平成6年
37 平成7年11月26日 山梨大学 宮澤 正明 平成7年
38 平成8年10月9日 岡山大学 富田 冨貴雄 平成8年
39 平成9年11月15日 熊本大会 森山 秀吉 平成9年
40 平成10年11月27日 兵庫教育大学 小竹 光夫 平成10年
41 平成11年11月30日 高知大学 大野 貞男 平成11年
42 平成12年11月24日 鳥取大学 住川 英明 平成12年
43 平成13年11月18日 上越教育大学 押木 秀樹 平成13年
44 平成14年11月17日 静岡大学 平形 精一 平成14年
45 平成15年11月20日 福岡教育大学 片山 智士 平成15年
46 平成16年10月10日 四国大学 久米 公 平成16年
47 平成17年9月21日 千葉大会 浦野 俊則 平成17年
48 平成18年10月4日 愛知教育大学 風岡 正明 平成18年
49 平成19年10月21日 秋田大学 長沼 雅彦 平成19年
50 平成20年9月19日 佐賀大学 竹之内 裕章 平成20年
51 平成21年10月24日 安田女子大学 信廣 友江 平成21年
52 平成22年10月2日 北海道教育大学旭川校 矢野 敏文 平成22年
53 平成23年9月18日 茨城大学 齋木 久美 平成23年
54 平成24年10月8日 京都教育大学 岡田 直樹 平成24年
55 平成25年10月5日 群馬大学 永由 徳夫 平成25年
56 平成26年10月11日 埼玉大学 大橋 修一 平成26年
57 平成27年10月10日 横浜国立大学 青山 浩之 平成27年
58 平成28年9月25日 岩手大学 玉澤友基 平成28年
59 平成29年 東京学芸大学 橋本栄一 平成29年
60 平成30年 滋賀大学 中村 史朗 平成30年
61 令和元年 鳥取大学 住川 英明 令和元年
62 令和2年